先日放送されたNHK-BSのアニメ夜話「時をかける少女」。
録画していたものを見ました。
アニメの「時をかける少女」は去年の夏に公開された映画。
最初は単館上映と言っても良いくらいの映画館で上映されたのが、口コミで評判が広がり上映館が増え、ロングロードショーとなった話題の映画です。(第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞)
勿論、私も見に行きました。
さて、アニメ夜話。
映像面からのチェックポイントは、漫画家である江川達也さんが鋭い。
キャッチボールのシーンの男投げと女投げの描き方を指摘され、「おー!なるほど」。
あとは影なし技法、というものを初めて知りました。
アニメーション作成側からすると、影を付けずに立体感を表現する、というのは、絵を常に動かす必要があるので大変な労力になるため断念することが多いそうなのですが、この「時をかける少女」ではその技法を使っているんですね。
知らなかったことなので「へーっ!」と感心しきり。
ストーリー面。
タイムパラドックスの考え方について。
今回の「時をかける少女」では、時間軸は常にいくつもの分岐があり、どんどん別の未来ができる、という設定です。これによるリピートがキーポイントといえばキーポイントでしょう。
あまり深く考えずタイムリープしてしまう主人公の真琴は筒井康隆氏も言うようにバカです(笑)。
でも普通の高校生だったら、こんなもんじゃないかな、と思いますね。
岡田斗司夫さんが「世界が狭いことに不満と違和感を感じる」と言っていましたが、小学生から高校生の内ってそんなに世界は広くないと思います。家と学校がすべての世界、というのが普通じゃないかな、と思うので、等身大の高校生を主人公にした時点で、これはこれで良かったのではないかと思うし、世界を拡げちゃうと物語としても収拾がつかなくなると思うし。
折しも『クロノス・ジョウンターの伝説』を読了し、どっぷり時間SFな状態の私。
時間SFの魅力はやっぱりタイムパラドックス。
多分、過去の時間は絶対的なもので、改変を加えられないだろう、というのが私の考えですが、物語的には改変が加えられる方が面白いのも事実。
時間SFでは、映画に名作が多いですね。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ターミネーター」。
小説では何と言っても「夏への扉」。
マンガでは「私を月まで連れてって!」(竹宮恵子)「フラワーデストロイヤー」(那須雪絵)あたりが、私としては印象深いです。萩尾望都さんの「マリーン」もある意味時間SF?
あー、SF読もうっ。
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